理事長所信

2018年度理事長所信

 
一般社団法人箕面青年会議所
第53代理事長 西田 泰

 

 

今があるのは、未来を信じ、希望をもって闘ってきた先人の行動のお陰に他ならない。

先人は自らの行動が今の日本を、未来の日本を創造するという、確固たる信念をもっていた。
我々はどうだろうか。先人が築いた財産の上で胡坐をかいていないだろうか。未来を想い、その可能性を信じて行動できているだろうか。
 1951年、「新しい日本の再建は、我々青年の仕事である」という高い志を持った青年達によって、日本青年会議所は記念すべき一歩を踏み出した。熱い想いは日本全国へと広がり、1967年、箕面青年会議所(箕面JC)は日本で355番目の各地青年会議所として誕生した。

昨年度、創立50周年の節目を迎え、我々は今後益々地域の信頼と負託に応えていかなければならない。
 私はこう思う。今ここにある我々は、明るい豊かな未来を創るためのすべての選択肢をもっている自由な創造者であると。どんな困難が待ち構えていようとも、それを乗り越えるために英知を絞り、勇気と情熱をもって、仲間と共に、明るい豊かな未来へ向けて進んでいけるのだと。ほんの僅かでもいい、真っすぐじゃなくてもいい、時には後ろを振り返ってもいい、それでも未来へ向けて歩みを積み重ねていこう。自らの可能性と仲間を信じて行動しよう。

私たちの行動が未来にとって大きな意味をもっている。今、どんな選択をするのか、未来は私たちの手の中にあるのだから。
 
はじめに
 日本が少子高齢化社会にあることは、誰もが知るところである。2015年発表の国勢調査では、1920年の初回調査から約100年にして、初めて人口減少が確認された。

我々は消滅可能性都市という言葉を現実のものとして認識しなければならなくなっている時代を生きているのである。

しかしながら、箕面市は、豊かな緑に育まれる自然環境や安心して暮らせる住環境等を背景に、人口は増加を続けており、現在は約13万8千人の住民が暮らす大阪のベッドタウンとして、住みよさランキング2017において大阪府でナンバーワンの都市となっている。
 まちはコミュニティーの集合であり、その構成員である市民・行政・各種団体等による連帯や互助により、住みやすく安心した生活が営まれる。人口の増加はまちに新たなコミュニティーを作り出し、一行政区分内において様々な「違い」を生み出す。

例えば、箕面市における旧村域と彩都・森町などの新興住宅地とでは、まちづくりに関する考え方は大きく異なる。

自治会・町内会等の地縁団体と新たに特定目的のために設立された機能団体においても同様のことがいえる。また、まちづくりは、市民が主体的に関わることにより、効果的に進むとともに、市民一人ひとりがまちに一層の魅力を感じ、愛着心を持つようになる。

しかしながら、まちづくりへの活動や市民自治への意識は、市民一人ひとりの価値観の違いにより、
その地域全体に浸透するのは難しく、まちづくりへの参加意義は共感できても、実際に活動に参加しようとする市民の意識は十分とはいえない。
我々は、まちづくりにおける地域のリーダーを標榜する団体として、また中立かつ独立した存在として、市民・行政・各種団体等の調整弁としての機能を果たすと同時に、多くの利害関係者を巻き込み、まちづくり運動を展開していく必要があるのです。
 
活動への理解と共感の輪を広げる

まちづくり団体として、地域社会にインパクトを与える運動を展開し続けるためには、官民問わず、目的意識を共有し、我々の運動を拡げていく力となってくれる賛同者を増やしていく必要がある。

本年度は、これまで関係を築いてきた賛同者はもちろんのこと、新たに私たちの理念に共感し、協力を得ることのできる方々との連携を積極的に推進する。

多くの利害関係者のベクトルが同じ方向に結集した時、この運動は何倍もの力となってこのまちに大
きな成果をもたらし、わたしたちが目指す社会を、私たちの運動から創り出すことができるのである。
 
戦略的な広報企画から運動発信を
 我々は、50年以上に渡り、「明るい豊かな社会の実現」という志のもと、様々な運動を発信してきた。これからも、私たちの運動がさらに発展していくためには、目的に沿って緻密な戦略を立て、計画性をもった広報戦略を展開し、我々の在るべき姿を可視化していく必要がある。

戦略的な広報活動は、価値ある箕面JCブランドの確立につながり、利害関係者に対する組織や運動に対する認知度を上げ、地域社会における箕面JCの存在感を高めるのである。

一部の賛同者では不十分である。築くべき未来はすべての人を含んでこそ価値がある。
今までの既成概念を取り払い、時代に即した手法を活用し、我々の運動を発信するのである。
この運動は唯一無二のものであるのだから。
 
信用と負託に応える組織作り
 1967年より今日に至るまでの約半世紀、箕面JCが存続できたのは先輩諸兄の積み上げてきた信用や、関係諸団体、地域社会の皆さまのご理解、ご支援、ご協力のお陰である。
これらのことを理解し、真摯に運動に取り組みことが、先輩諸兄への恩返しでもあり、我々を受け入れてくれた地域社会に対する責任でもある。これからも変わらず信用と負託に応えるために、秩序ある盤石な運営基盤を強化していくのである。我々の誇りある運営が、箕面JCへの信頼をさらに盤石なものにするとともに、組織の力を最大限引き出し、魅力溢れる運動の発信を実現する要となるのである。奇をてらったことは何も必要ない。

当たり前のことを、当たり前にするだけである。
 
ダイバーシティ・マネジメントによる人間力・組織力の向上
 地域社会は、性別、年齢、国籍、障害の有無といった、目に見えやすい違いだけでなく、
価値観や考え方といった内面の違いなど、多様性で溢れており、異なる個性を受容する機会
は数多く存在する。我々はまちを牽引するリーダーとして、多様な価値観に触れ、自分の視
野を広げていかなければならない。一人ひとりの違いを尊重し、個性をもった人財を活かし、
新たな価値の創造に繋げていくのである。こうした行動が人間としての成長を促すとともに、
組織の活力を高めるのである。
 
組織は数、数は力
 我々の運動において、その活力の基盤となるのは、紛れもなくメンバーそのものであり、その数は組織にとって大きな力となる。しかしながら、その大義は組織の存続ではなく、「明るい豊かな社会の実現」という私たちの使命達成のためであり、まちのことを想い、行動する同志を増やすことで、地域社会に大きなインパクトを与えることである。組織の大きさは行動量につながり、地域社会を変革する力強い運動となる。共に行動する同志が集えば、我々の可能性は無限に広がり、箕面JCを光り輝く組織へとたらしめるのである。
 
未来の箕面を担う若者の育成
 近年、失敗を恐れて挑戦をしない、他人と協調できない、そして些細なことで心のバランスを崩してしまう、打たれ弱い青少年の増加が懸念されている。

我々は、様々な人と関わりながら、何事にも意欲的に取り組む姿勢をもち、多少の困難や逆境があってもへこたれず、前向きに生きていける力を身につけた青少年を育てていく必要がある。
本年度も、2014年より開催してきた「わんぱく相撲箕面場所」を実施する。相撲を通じて、礼節、努力すること、人を思いやることの大切さを伝えていくのである。また、2016年、ガンバ大阪箕面後援会の協力のもと、箕面市在住の小学生を対象とした箕面親子サッカー教室を開催した。本年度は、この関係を活かし、「JCカップ箕面地区予選大会」を実施する。

国際的に最も盛んなスポーツとされるサッカーを通じて、地域の未来を担う子供たちに、「グッドルーザーの精神」を伝えていくのである。
これらの事業が、社会生活に必要な徳性の涵養の場となり、未来の箕面を担う若者の育成につながるのである。
 
組織内の結束を強固なものにする
 青年会議所は、多様な能力をもった人材が集まる組織だからこそ、他にはない、社会へイノベーションを起こす力があるのだと考える。

そして、その力を最大限に発揮するためには、互いを理解し合い、友情を深め、意識を共有し、ベクトルを一にすることが重要である。

本年度は、例年以上にメンバーが交流する機会を増やしていく。

お互いの絆を深め、組織内の結束を強固なものにし、一致団結して活動をしていくのである。
 
家族に誇れる組織であるために
 我々がJC運動に取り組むことができるのは、我々を信じ、支え、送り出してくれる家族がいるからこそである。そして、様々なサポートに対する感謝の念を忘れた時、我々の運動は一切の価値を失うことになる。

支えてくれる家族への想いを大切に、真摯にJC運動に取り組むことで、より強い運動が発信できるのである。
 
箕面の未来におけるイニシアチブを発揮する
 大阪平野の北端となる箕面市は、大阪市内へのアクセスの良さに加え、市域内には国定公園が広がる豊かな自然環境を有する魅力あふれるまちである。

2020年度には北大阪急行線の延伸が予定されており、更なる利便性が加わることで、まちの魅力はさらに増すことが予想される。

こうした環境変化の中で組織が生き残り、持続的に発展していこうと決意するとき、組織は単に時代の変化に適応するだけでなく、その組織にしか創れない未来を自ら創り出していく必要がある。

我々は今後も行政を含む関係諸団体との連携を深め、輝かしい未来へ向けて歩みを進めていかなければいけないのである。
 
地域コミュニティーの輪を広げる
 地域コミュニティーは、伝統的には、自治会、町内会、婦人会、青年団、子供会などの地縁団体が主な担い手であった。

しかしながら、ここ箕面においても社会経済の環境が変化する中で、地域の中で特定の目的を明確に持つ集団が形成されたり、特定目的のための機能が地縁団体から独立したりすることにより、様々な機能団体が地縁団体と並存するようになり、多様化している。特定の職業、宗教、政治団体等に偏ることなく、公正中立な立場を尊重した活動を展開する我々が、地域コミュニティー発展のために、こうした団体との関係を如何に構築するかが、今後の地域コミュニティー活性化の鍵になるのである。
 
マニフェスト中間検証を通じて市政に対する関心を高める
 2016年、箕面市長選挙において倉田哲郎市長が3選を果たした。箕面JCはこの選挙において「箕面市長選挙公開討論会」を実施し、当時候補者であった現市長をはじめとする2人の候補者に各々のマニフェストを発表していただいた。本年度は、倉田市政(第3期)が2年目の折り返しを迎えるにあたり、マニフェスト中間検証大会を実施し、市政の評価・検証をおこなう。

マニュフェスト中間検証大会は、市政がどう動いているのかを知り、市政に対する関心を高める機会となるのである。
 
半島青年商會(ペニンシュラJC)との信頼関係を強固にする
 1972年に姉妹JC締結を行い、今日まで途切れることなく深めてきたペニンシュラJCとの絆。世界平和を謳う青年会議所として、彼らとの交流を通じて多様な価値観を醸成し、広い視野を持つ国際感覚豊かな人材を育成することは非常に重要である。姉妹締結から46年。

これまでの関係を紡いできた先人への感謝を忘れず、未来を見据え、今まで以上に力強い信頼関係を築いていくのである。
 
各種大会・諸会議へ参加しやすい環境を作る
 大阪ブロック大会、近畿地区大会、全国大会等の各種大会・諸会議へ参加することは、普段得ることのできない知見を広げる絶好の機会である。

与えられた機会を最大限に活かし、自己成長に繋げてほしい。本年度は、各種大会・諸会議の情報収集をしっかりし、事前案内を徹底するとともに、様々な支援を通じて多くのメンバーが参加しやすい環境作りに努めていくのである。
 
出向者を全面的に支援し、ノウハウをLOMに還元する
 出向はLOMでは経験できない多くの学びや気付きを得る機会である。箕面JCを代表して出向するメンバーは、LOMの垣根を越えた大きなフィールドで活躍し、自分自身を成長させるとともに、出向先で学んだことをLOMへ還元することを通じて、箕面JC、そして箕面のまちをさらに発展することに繋げていただきたい。箕面JCの運動に大きな成長をもたらし、地域の発展へと導く糧となる出向を、LOMとして全面的に支援していくのである。
 
おわりに
 1981年、私は愛知県豊川市で生を受けた。高校への進学、米国への留学を経て、2000年にここ箕面にある大阪外国語大学に進学した。

これが私と箕面との最初の出会いである。

そして2012年、起業をするにあたり、ここ箕面を選んだ。

箕面は私に多くのものを与えてくれた。

素晴らしい青春時代、かけがえのない友人、愛する家族、そして人生の一部を捧げることを誓った青年会議所。2013年、私は自らの意思で箕面JCの門を叩いた。
箕面JCもまた私に多くのものを与えてくれた。成長の機会、多くの仲間、仲間を思い遣る心、そしてこのまちの未来のために身を捧げる覚悟。
さあ、共に歩もう。二度とは戻らないこの時間を。
さあ、共に進もう。箕面の未来のために。
我々は誰もが憧れる箕面を創造する先駆けとなるのだから。
 
 
理念
Co-create the value for future
未来価値の共創
 
ビジョン
Think out of the box
既成概念にとらわれない独創的な発想
 
スローガン
Be the best or be the rest
唯一無二の存在であれ
 
行動指針
1.みのおのまちに共感の輪を広げる
2.箕面JCの存在感を高める
3.地域社会の信用と負託に応えために運営基盤を強化する
4.ダイバーシティ・マネジメントにより人間力・組織力を強化する
5.共に歩む仲間を増やす
6.未来を担う箕面の若者を育成する
7.組織内の結束を強固なものにする
8.箕面の未来を牽引する
9.ALL箕面で未来価値を共創する
10.市政に対する関心を高める
11.国際感覚に優れたJAYCEEを輩出する
12.各種大会・諸会議へ参加しやすい環境を作る
13.出向者を全面的に支援し、ノウハウをLOMに還元する